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夜明けの祈りのmiのレビュー・感想・評価

夜明けの祈り(2016年製作の映画)
3.3
舞台は第二次世界大戦後のポーランド。
ソ連軍兵士に強姦されたポーランド人修道女。
修道院内には次々と子供を身篭り、日に日に腹が大きくなってゆく柔道女達が。
見かねた1人の修道女が、フランス人女医マチルドに助けを求める。
重く深い粉雪が古いロングコートに絡みつき、白くすすける。
時折燻らす煙草と、戦場下ながらもロングコートの襟を立てる姿が、いかにもフランス女らしい気品ある姿だ。
マチルド演じるルードゥラージュが美しく聡明感のある女優で、その姿がピッタリだった。
淡々と降る粉雪のように物語は進むのだが、それは知らぬうちに重く私達の心にのしかかってくる。
終始讃美歌が美しく流れ、これほど静寂が続く映像なのに、ひたすら息苦しく早く作品が終わって欲しいとすら私は感じた。

宗教は、時に都合の良い思い込みから、非人道的な行動に走りがちだ。
人間の愚かさと、かすかな希望を見事にまとめた実話を元にした作品。
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