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夜明けの祈りのTOTのレビュー・感想・評価

夜明けの祈り(2016年製作の映画)
3.4
戦場の外で起こる魂の殺人。
忘れたくてもそうさせてくれない身体の変化。
変化から生まれる感情。
苛烈な現実と信仰の折り合いがつかないと言うマリアの「信仰は24時間の疑問と1分の希望」という台詞にハッとする。
ただ、全体としては女医の日記をもとに作られた物語だからとは思うが、ストレートな告発、歴史モノの印象。
原題は『The Innocents』なのでなおの事だが、マリアはじめ2〜3人は心の内を話すもののシスターの想いは“無垢なもの”に押しやられてる気がし、ラストの院長も含めて女医よりもシスターたちの描写に時間を割いて欲しかった気はする。
あとすごくもったいないのが、マックス・リヒターのあの曲使ってるところ。
あれはやめなよ〜直近で他の映画でも使われてるし、名曲すぎて曲の印象ばかり強くなるよ〜〜。
しかしマリア役のアガタ・ブゼク良かったね。
そしてルー・ドゥ・ラージュは視線が強い(彼女の『呼吸−友情と破壊』も公開して…!)
雪の中の修道院の静謐さは、ドキュメンタリー『大いなる沈黙へ』を思い出したが、『神々と男たち』をあげる感想を散見したから、今度観よう。
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