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許された子どもたちのNのレビュー・感想・評価

許された子どもたち(2019年製作の映画)
4.2
【自覚】
今見てよかった
ここで気づけてよかった

本作で特に印象的に描かれていたのは、加害者に対する世間の行動。加害者への誹謗中傷、住所特定、物理的攻撃、と枚挙に遑がなかった。加害者を徹底的に晒し者にし、無防備なサンドバッグと化した加害者を得意気に嬲り殺す無自覚な殺し屋たちが、そこにはいた。そして紛れもなく自分自身も、無自覚な殺し屋の一員であるということに気づけてよかった。

デスノートに書いたことは取り消せないが、未来は変えられる。そう信じて筆を進める。


【猛省】
物事に対してどう向き合うかで人格が決まる。

俺はいじめられたことがあるだけでいじめたことはないと思っていたけれど、あるじゃねーか。いじめられる者にも原因がある?何事にも原因があると思うな。私人逮捕系YouTuberの動画を見て楽しんでいたあの時と何も変わってねーな。

キラは世界に溢れている
正義の名の下に今日も刃は振り下ろされる


【更生】
Fukaseが言うように、「本能に眠る凶暴な正義」が僕等にあるとしたら?
A. 頭空っぽで踊ればいい、もしくは『We Are The World』 でも歌えばいいさ

其の場凌ぎにはなるだろうが、もっと建設的な方法はないだろうか。
「自分をいじめる」っていうのはどうだろうか。厳密に言えば自分の"筋肉"をいじめる。そうすれば他者をいじめる動機や機会、正当化もなくなる、つまり不正のトライアングルが成り立たなくなるって訳だ。一億総中流ならぬ八十億総筋トレ、とでも名付けようか。

2024年8月
SEKAI NO OWARI『Witch』が沁みる今日この頃に
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