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許された子どもたちのkoheiのレビュー・感想・評価

許された子どもたち(2019年製作の映画)
4.5
スコアをつけるのは難しい。難しいけどそれなりに多くの人に観られるべき映画だと思うのでこのスコアで。

『許された子どもたち』。監督の膨大な研究量(エンドロールで流れる参考文献の数はもはや論文の領域)と、その思考の先を映画で追究しようとする圧倒的な熱量を帯びた、“いじめ加害者”を描く濃密な映画だ。普段目を逸らしがちなこういう現実は、やっぱり映画館という空間でしか観られない。だから観れてよかった。ほとんどの登場人物が子どもなのだけど、その子どもたちの演技がめちゃうまくて没入させてくれる。

『魚座どうし』、『レ・ミゼラブル』、『もみの家』、『はちどり』、『許された子どもたち』と、2020年上半期の映画に多くの“子どもたち”が描かれていたことはしっかりと記録しておかなければいけないと思う。社会で生成された毒物が下のほうに沈殿し、爆発を強いられてしまう、子どもたちの映画が多くあったことを。上記に記した映画はぜんぶ傑作レベルの完成度高し作品たちだったことも。
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