面白かった。
ゾンビ系でヒューマンドラマ寄りな演出は初めて見たかもしれない。
友達や恋人そして家族など大切な人が感染してしまい、自我を失う前に殺してくれと本人から頼まれるシチェーションや、主人公が泣きながらその人の頭を撃ち抜く演出はよくあるけど、物語序盤で自分が感染してしてしまい、自分が死んだ後の為に行動するってのは新しいよな〜
細かい設定がいくつか設けられていて、噛まれてからゾンビ化してしまうタイムリミットが明確に決まっていることや、それを封じ込めるためのキットがあることは、あの世界の人々に選択肢を与えていて物語が膨らむようだし何よりわかりやすくてよかった。
ラストでは、ゾンビは視覚的に獲物を追うのではなく臓器とか血の匂いに寄っていくって設定も100活かされてた。
ゾンビ映画を沢山見てきたわけではないけれど、パニックを描くためにか舞台は街であることが多いと思う。でもこの映画は田舎な風景で、それはアボリジニを違和感なく登場させるための選択だったのかなと思う。オーストラリアでゾンビ映画つくるならアボリジニという存在は使いたいもんね。
ゾンビ的デザインもなかなか良くって、目や口から粘液みたいのが出て来る演出は気持ち悪い上に怖くって、自我をどうにか保っていた主人公にも、もう"人間"ではなくなってしまった感を持たせて見てる側には効果的だった。
元となった短編があること知らなくて他の方のレビューで知った◎みてみたい!
ここからはネタバレあり。
あの石油集めてた男がマジ最悪で、彼やレイニーの旦那さんの仕事場がゾンビに襲われたのがいつかは知らないけど、主人公と出会った日まで彼女が彼を殺していないことや自殺していないことが少し不自然に感じた。旦那を殺された恨みもそうだけど、"妻"として一緒に生活させられてたら死ぬほど嫌なこともされてるだろ。