三度目の殺人のともぞうのネタバレレビュー・内容・結末

命を選別し、弄ぶ人間のエゴを浮き彫りにする。三度目の殺人の犯人は、我々すべて。三隅が殺したのは、殺されても仕方がないと言われそうな酷い人物（でも、殺して良い訳はない）。弁護士は真実そっちのけで量刑での勝利しか考えず。裁判官や検事も裁判の速やかな進行しか考えず。娘が夫の性被害に遭っても見て見ぬふりする母親。皆が自分のことしか考えていない中、三隅だけが足の悪い娘のことを守るため、死刑になることを受け入れる。いろいろと考えさせられる是枝監督らしい脚本。惜しむらくは分かりにくさと中盤まで間延びしたことかな。

〈あらすじ〉
勝つことを第一目標に掲げる弁護士の重盛（福山雅治）は、殺人の前科がある三隅（役所広司）の弁護を渋々引き受ける。クビになった工場の社長が殺され、さらに死体に火を付けた容疑で起訴され犯行も自供しており、ほぼ死刑が確定しているような裁判だったが、弁護を担当することになった重盛は無期懲役に持ち込もうと調査を始める。しかし、三隅と顔を合わせるうちに重盛の考えは変化していく。三隅の犯行動機への疑念を一つ一つひもとく重盛だったが、三隅の供述が会うたびに変わったり、動機さえも二転三転するなど、次第に重盛のなかで違和感が生まれていく。