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ふたりの J・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏のmiumiuのレビュー・感想・評価

3.8
実話ベース。
架空の美少年作家J・T・リロイを捏造したローラとサヴァンナ。その経緯をサヴァンナ視点で描くストーリー。

J・T・リロイのことはこの映画で初めて知った。
クリステン・スチュワートがハマり役。
ボーイッシュな外見で自身のことや恋愛も含め、セクシャリティに揺れるサヴァンナ役。
ローラ役のローラ・ダーンも、ちょっと若作り? な外見でJ・T・リロイのイメージを必死で守ろうとする痛々しい女を怪演。
サヴァンナの兄の恋人でもあるローラ、JTの人気に乗って一緒にやっているバンドを売り込もうとするふてぶてしさ。

これは学生時代や、アイデンティティに揺れる頃に見るとより共感できそう。
最初はローラからの頼みを断りきれずにJT役を引き受けたサヴァンナが、だんだん充実感を覚えたり、恋に悩んだり、認められたように感じたりする様が見応えあり。あくまでも偽りの姿だから、その充実感が続かないのが切ない。
一方で、ローラが自分のアバターとしてJTを作り出した理由も徐々に見えてきて、ローラのこともただ責める気にはなれなかった。

ラストは事実が暴露され、お互いの道を踏み出した2人。
(映画は一応丸く収まったけれど、現実では2人の間には確執が残っているらしい…?)

実際に映画化されたというJ・T・リロイの作品も観てみたくなった。

そしてパンフレットで確認したら、実際のサヴァンナが脚本を手掛けているのね。だからサヴァンナ目線なのか、なるほど…
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