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ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれたのmitoのレビュー・感想・評価

3.2
ボストンマラソン爆破テロ事件で両足切断を余儀なくされた
被害者のひとり、ジェフ・ボーマンを描いた作品。

主演はジェイク・ギレンホール。
ボストンマラソンの爆破テロといえば、ついこの間日本で公開された、事件解決までを描いた「パトリオット・デイ」がある。
ジェフ・ボーマンはこの映画でも少しだけ言及されていた。
この映画はそのパトリオット・デイの後のお話がメイン。

犯人の顔を見たという事で調査にも貢献したジェフは一躍、ボストンの、米国の英雄扱いを受ける事に。
しかし彼は勇敢でもなく、偶然そこに居合わせた一般人。やがて、英雄の器では無かった彼は足を失った事実と英雄と持て囃される現実に葛藤する事となる。

兎に角、英雄になるべくしてなった人でない点が、重くのし掛かる。

ジェフの家族がそのプレッシャーに更に拍車を掛ける。
一般市民の家に突如生まれた英雄。
鼻高々な親は方々へ息子を自慢して回る。ジェフが本人にとって、そしてアメリカ国民の一部にとってただの英雄でなくて、「悲劇の」という枕詞が着く事に気付かずに。

この無自覚な無慈悲さ。
実際の話、スターの親という点で、昨日観たアイ・トーニャの母親像がリンクする。
アイ・トーニャでの母親は清々しいまでのクズだったが、子供を利用する点では一貫した意志があり、舞い上がっていなかったため、好感すら覚えた。

この映画の母親は子供を利用する気は無いが、子供に対する意識に事件前後で差があり、明らかに舞い上がってるきらいがある。

クズより真っ当な親に対して胸糞が悪くなる。
映画って、人間の感情って本当に面白い。

後どうでも良い事だけど、ボストン系の映画って異様なまでに、メッセージをラストに込めるよね。
まあ、こんな事件があった後なんだから判るけど。
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