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ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれたのはのレビュー・感想・評価

3.9
あらすじ
ボストンマラソンテロの被害者となった主人公。
犯人を目撃し、それを証言したことから、テロに屈しないヒーローとして讃えられる。

感想
被害者をダシにした感動ポルノか、テロ批判のプロパガンダだったら観るのも、感想で悪口言うのもだりぃなあと思いながら視聴。
まさかのその感情を映画にしたような内容でびっくりした。
こんな描き方をする映画もあるんですね。
日本語サブタイトルとか、コピーとか、作品の内容に全然ついて行けてなくて、感動ポルノしちゃってるところが皮肉で面白い。

被害者をヒーローとして持ち上げる事や、持ち上げられる事など何もしていない主人公が、周囲とのギャップに苦しむ内容。
アメリカ人のこう言うところって嫌いじゃないし、プラスに作用してきたところも数え切れないほど見た事があると思う。
作中で主人公がすぐに義足を手に入れられたのも、まさにこう言う面の賜物だろう。

更に言うと、この被害者を持ち上げる感じも、過剰に哀れむ事に問題を感じた誰かが、それは良くないと考えた上で遷移して来た流れのようにも思える。

ラストに至る話の流れもとても面白い。
主人公は正直どうしょうもない奴で、彼女と揉めるシーンではそのまま捨てられろー、彼女戻って来んなよー、とか思うクズ。
それを本人もわかって居るので、讃えられるほど神経質に、周囲に対する嫌悪を強めていく。

しかし結局逃げられない運命。
じゃあどうすんの。
この映画が描くようなマイナス面もあるけれど、結局この、アメリカ人が作り上げた世間の対応って間違ってない気がしますね。
なっちゃえばいいじゃん。
的な。
どの道逃げ場がないのが人生だ、みたいな。

周囲はともかく、お母さんの行動は仕方ない気がします。
息子が足を失った時点で、ある種さまざまな事を潜在的に諦めた反動なのではないかと。
なくしたものより大きなものを手に入れた、と思っていたかったんじゃないかなー。

でもやっぱり主人公はクズで嫌い。
見終わって、納得させ満足させた後も、嫌いでいられる余地があるところがすごいですね。
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