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聖ゾンビ女学院の特売小説のレビュー・感想・評価

聖ゾンビ女学院(2017年製作の映画)
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しっかりと作り込まれ説得力を持った設定があって、興味深い状況も用意してあって。

再現可否性や展開、または主演するグループの人数などを優先したが為に生じたと思しきそんな粗や矛盾点さえも愛嬌として呑み込める、オリジナリティ溢れる物語があって。

可愛らしい女の子がたくさんいれば当然賑やかで華やか、一方で一枚絵として切り取っても耐え得るような、体温が上昇するほどの興奮を覚える見せ場も幾つかあって。

しかしそれでも映画として面白くないのは何故なのかと考えてみるに。

会話シーンのテンポの悪さ、下手な状況説明シーンを前半に置いて早速中弛みを感じさせる構成の拙さ、抜け感のないシリアス寄りの語り口、そして一番に顕著なのは伏線回収の手際の悪さ、辺り。

詰まり演出側の脚本への理解不足が理由じゃないかしらと。

もう本当に、落涙しながら訴えたいくらいに、血便が出るくらいに、心の底から、もったいないと思う。

脚本が泣いていると思う。

それこそ続編があったなら、これは順当に考えれば人には言えない秘密を持った田舎娘の都会での新生活が描かれる内容、即ちアイドル映画の一つの王道パターンを踏襲する形になるかもしれない訳ですからして妄想するほどに楽しそうじゃないですか。

本当に、ほんっとうにもったいないと思う。
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