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サマーフィーリングのcharoのレビュー・感想・評価

サマーフィーリング(2016年製作の映画)
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今の私に必要な映画だった。


自分もこの映画の風景の一部になったような、
溶け込むような目線で世界を見ていた。
ただ時の流れるままに、自然体で。


音楽、静けさ、空気、本当に心地良い。
芝生も、朝焼けも、夕暮れも、
いろんな屋上から見る景色も。


一瞬一瞬が人生を構成している、
まさに“今“を噛み締めているような作品だった。


ベルリンの場面では気持ちを、主に表情や、
空気感で醸し出してるように感じて、
パリでは少しずつ会話が生まれてきて、
ニューヨークでは言葉を通して、
気持ちを伝え合っているような感じがした。
(段々心を開いていくような感覚があった)


“世界との距離感がつかめない“って、
率直な言葉が、まさに主人公のありのまま。


冒頭の掴みが良すぎて、シルクスクリーンを、
ひたすら刷っているだけの映像だけでも、
見ていたかもしれないと思うくらい、
全部のシーンで画面が美しかった。
(土地感もあると思うけど粒子がやはり好き)


疲れた時、何かを失った時、漠然としてる時、
人生の節目にまた見たいと思える映画だった。
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