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夜明け告げるルーのうたのJAmmyWAngのレビュー・感想・評価

夜明け告げるルーのうた(2017年製作の映画)
4.2
もう何よりもラストにおける歌とアニメーションの珠玉の一蓮托生っぷりが、湯浅版の『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』として一生語り継がれていいと思えるほどに壮絶で美しくただひたすらに素晴らしかったのです。

物語の展開に対して主人公の心情の推移に若干の欠落を感じた気がしないでもないけど、世界や未来に対するオープン性の象徴として夏の入道雲で爽やかに締められたらもうそれでOKという感じ。

箸の運動によって焼き魚の身が綺麗に割かれたり正確に骨が取り除かれたりする気持ち良さと、液体が重力の影響を離れて空中に立方体を形成するような気持ち良さとの間には、勿論リアリティという意味において確固たる隔たりがあるハズなのですけれども、これを同一地平において表現出来てしまうというアニメーションの面白さに改めて気付かされたワケでございます。

それにしてもこれだけ露骨に「気持ちイイ」アニメというものは、最早私の中では湯浅作品かアクエリオンかという感じでありますので、『マインド・ゲーム』から八千年が過ぎて俄然恋しくなってきたなあと思う次第です。
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