今年は「夜は短し歩けよ乙女」で記憶に新しい、湯浅政明監督の初めてのオリジナル長編作品。
ポップな絵柄に優しい世界観、人魚・ルーをはじめ純粋なキャラクターたち、そして作品を包み込む音楽たち、そのすべてがきらめいていて眩しくて、多幸感を放っていた。悲しいとか嬉しいとかそういった感情を超越した、超自然的な涙が止まらない。
テーマは、“愛”だろうか。ルーのどこまでも純粋で素直なカイへの想いに、クライマックスでは塞ぎ込みがちだったカイが応える。その体いっぱいで愛を表現する姿は、人間が本来あるべき姿なのかもしれないが、なかなかできるものではない。なんだか羨ましくなったくらい。作中、何度も流れる「歌うたいのバラッド」、この歌詞がすべてなのだ。改めて良い曲だなと。久しぶりに聴いたYUIの「fight」もグッときた。
