ゆき

ワイルドライフのゆきのレビュー・感想・評価

ワイルドライフ(2018年製作の映画)
3.8
様子見

時すでに遅し。プライドってどうやって捨てるんだろう。
「Better than now」一歩踏み出せば叶いそうな希望でも、「他の道を選ぶ」という選択は重労働すぎるのだ。
ケネディが大統領選で当選した1960年。新しい時代に胸高鳴る中、この家族はバランスを崩していく。
家族と言えど、人生はそれぞれの決断で決まる。
家を空ける夫と不安で前が見えない妻。
両親を交互に見ていたジョーが目線を下げたとき、苦しくて涙も出なかった。それでも息子・ジョーはゆっくりだが進んでいく。
若干目線の合っていないポスターの理由がわかった時、どこか少しだけ希望が抱けた気がする。
できれば醜く食い下がりたくはない。ただ、生きるためにもがくのは醜いだけではないと思える一作だった。
静かでシンプル。安定したテンポの作風は割と好みでした。

×××
ゴルフ場で働く父は新天地でようやく安定を掴み始めたが、理不尽な解雇に遭う。出稼ぎに出た父親と働き口を探すため必死な母親。14歳の息子も写真館で働き始めるが、簡単に人生は安定しなかった。
ゆき

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