TOT

ワイルドライフのTOTのレビュー・感想・評価

ワイルドライフ(2018年製作の映画)
3.9
‪父の失業、母の苦悩、軋む家族の真ん中で惑う子供。
理解できない親の行動、生活の不安。
‪それでも雪は火を消すと未来を信じ、雪が儚く解けることすら疑わなかった14歳の日々。‬
思い出すと静かに涙溢れる、ある家族の肖像。
信頼と実績の役者ポール・ダノの素晴らしき監督デビュー作‬。
‪もう少し自分が大人なら、お母さんの力になれたなら、でもやっぱりダメだ、お父さん助けて。
必死に繋ぎとめようとした。
だからせめて写真に残して永遠にした。
そんな心の声が聞こえるような14歳の少年を演じるエド・オクセンボールドと、母キャリー・マリガン、父ジェイク・ジレンホールのケミストリーが完璧。
3人の演技に何度も目頭が熱くなった。
‬音楽は『グランドフィナーレ』のデヴィッド・ラング。
撮影は『闇のあとの光』『光りの墓』『われらの時代』のディエゴ・ガルシア。
国境近くの町の寂しさ、空の余白、美しき家族神話の崩壊を完璧な構図でじっくり映すカメラがとても良く、ここ最近見た映画の中でも郡を抜いて安心して見れる映像だった。助かる。
ダノのキャリアとシネフィルが伺える流石の人選だわ。
好き。
また撮って。
TOT

TOT