稀代の盗っ人の引き際に
自らの俳優人生の引き際を重ねて
感傷的でなくチャーミングに去っていく…
あのサンダンス・キッドが逃げおおせていたら、こんな風に犯罪を繰り返しつつ不良をやめずに生きていたかも知れない。なあんて、レッドフォードの気に入っていた役柄に似た人物を選んだかのようでした。
脱獄16回（そちらの方が興味深い）なんて、アメリカにものどかな時代があったのね…
こういう人は大事なモノよりスリルを選ぶ。根っからの犯罪者を紳士的に演じるレッドフォード。うーん、許すべきか許さざるべきか（笑）
若い頃のカットや今までの作品を思わせるシーンがいくつかあって、じーんとしてしまいました。
思いおこせば数々の作品を観てきたのに、映画館では観ていなかった。「愛と哀しみの果て」なんて劇場の方がふさわしかったはず。
社会派のドラマも好んで出ていたイメージですが、やっぱり「明日に向かって撃て」や「スティング」が、楽しんで演じている感じがして好き。美しくて惚れ惚れするのは「追憶」や「華麗なるギャッツビー」でしょうか。
監督作も良作が多く、地味だけど「ミラグロ」も良かったです。
彼の興したサンダンス映画祭で賞をとった作品はつい観たくなりますね。若い人にチャンスを与えてくれてありがとう。俳優業以外にもその人柄や功績に感謝したいです。
アメリカで最後の品格ある紳士であり、カウボーイでもあったなと思います。
見逃してる作品は、これからゆっくり観ていこうっと。
