A8

羅生門のA8のレビュー・感想・評価

羅生門(1950年製作の映画)
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はじめての黒沢明作品、、約70年ほど前の作品である。そして70年経った今もストーリーはもちろん映像、アングル、工夫、、どれをとっても人を引き込む物語の作り方が格の違いのようなものを感じ、どれだけ彼の作品が多くの人々に愛されているかわかる。
土砂降りの雨がとても印象的で容赦なく人を叩きつけるような激しさそして逃げられないように囲まれた人の儚さ、そして怖さのようなものを感じた。
舐めるようなカメラの撮り方、顔を撮ると思えば溢れる作品の分岐点になるかのような表情を浮かべさせるタイミング、、印象的であるのがあまりにも多くある。
三船敏郎の度肝抜くような笑い声、完璧に役に入り込んで演じるいや憑依しているのは恐ろしく素晴らしい。
人の儚さ怖さ、そして孤独と微かな希望さえも疑う最後の体をちょいと赤ん坊を抱いた者を疑う様子で覗く姿がこの作品をまさに表すかのようだった。
滴る汗で表す暑さ、緊迫感、雨をも感じさせる工夫や表し方は圧巻である。人を魅了する作品はやはり特別なスパイスがあった。
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