TOMJFK

羅生門のTOMJFKのネタバレレビュー・内容・結末

羅生門(1950年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

諸外国では高評価のようですね。
初めてしっかり観ました。
志村喬が始めも終わりも「どうもわかんねぇ」と言っていますが、この人、一部始終を見ていたんでしょ。
三船敏郎、女、殺された夫の3者の主張が食い違うとのこと。

三船敏郎(多襄丸)曰く「宝物があるからと男を山奥に連出し、縄で縛った。女はそれを見て短刀で自分に切りつけてきた。力付くで女に接吻・強姦すると女は『二人の男に恥を見せることは出来ない。どちらか一人に連れ添いたい』と言ったので男2人の死闘が始まった。そして俺が夫を殺した。女は逃げていた」

女曰く「多襄丸は私を犯し、その後私は夫に駆け寄ると、夫は私を蔑んだ目で見た。私は夫の縄を外し、短刀で私を刺し殺すよう頼んだが、夫はただ私を蔑んだ目で見るだけだった。私は気を失った。気が付くと夫は死んでいた。短刀が胸の上にあった。」

死んだ夫曰く(巫女を通じて)「多襄丸は妻を犯すと『自分の妻にならないか』と言い出した。妻はうっとりと頷いた。そして妻は『夫を殺して下さい』と多襄丸に頼んだのだ。しかし多襄丸は妻を踏みつけ非難した。これだけで、この男を許す気になった。妻は逃げ去った。多襄丸も去った。私は失望し短刀で自害した。」

そして最後に、一部始終を見ていた志村喬が真相を語り出す。
「女を犯した多襄丸は『俺の妻になってくれ』と頼んだ。すると女は『無理です』と言い、短刀で夫の縄を切った。多襄丸が夫に斬り掛かろうとすると、自由になった夫は『待て。私はこんな女のために死ぬ気はない』と言い、女に『2人の男に恥を見せて何故自害しようとせん!』と叱った。」
「すると女は多襄丸を訴えるような泣きつくような目で見た。見つめられた多襄丸は『夫を殺してほしいのだな』と理解し、夫を殺そうとする。それを知った女は『待って』と言って泣き崩れる(演技)。」
「その泣き崩れた女に向かって夫は『泣くな。もうその手には乗らない。』、多襄丸は『女は所詮こんなものなのだ。』と言う。すると泣いていた女が笑い出し、『たわいないのはお前たちだ!』と言い出した。
夫には『夫だったら、私に死ねと言う前に、何故この男を殺さない』、多襄丸には『お前もだらしがない』と言った。
そして2人に向かって『覚えておくがいい。女は自分の腰の太刀にかけて自分のものにするもんなんだ』と叫ぶ。」
「それを聞いた男2人は死闘をするしかなくなり、イヤイヤながら殺し合いとなり、多襄丸は夫を刺し殺す。」
これが真相だった。

手の込んだ演出、手の込んだ脚本。
そして京まち子の迫力ある演技。

しかし、だから何だというのか。あまり感動しなかった。
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