マサラ

グループ・バイオレンスのマサラのレビュー・感想・評価

グループ・バイオレンス(2015年製作の映画)
3.9
イスラム教徒の女性が被る黒い装束の「ブルカ」。フランスでは2011年から「ブルカ禁止法」という、公共の場でブルカを被っていると罰せられる法律がある。世界的に広がるイスラム教徒への不信感や嫌悪感。イスラム教徒は警察からあらぬ疑いをかけられる。それに激怒しているイスラムの若者を率いるのは13年前ストリートにおける暴動で活躍したが警察に捕らえられた伝説の男ヴァンス(ヴァンサン・カッセル。配役がアツい)。出所後、彼は仕事につき、母の介護をしながらマトモな毎日を送ることで自分の中に潜む「暴力」という病を抑えていたが、単調な日々や介護に耐えかねて13年の時を経てその病がぶり返してしまった。ブルカを身につけ街を徘徊するようになった彼はついにイスラムの若者を率いて警察権力と対峙することになるが、残ったのは達成感ではなく虚しさだけだった。「ブルカを1人消せば平和になる?10人ブルカがいたら?警察はどうでもいい。宗教もだ。」これがこの映画が言いたかった全てだと思った。短編なのに内容濃くて◎
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