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オン・ザ・ミルキー・ロードのKEYのレビュー・感想・評価

3.9
今年の映画との出会いの中では、鈴木清順監督の次に嬉しかったエミール・クリストリッツァ監督の最新作。

何処かの戦地で、牛乳を運ぶ仕事をしている主人公のお話。
弾雨と爆発音の中、同じ道を往復する日々。
ハヤブサを肩に乗せ、語りかける姿は精神的に参ってしまっている様にも見える。
敵に斬首されたと言う父親の写真は、切断された状態の写真で鏡に貼られていた。
後ろから狙われようが、耳を撃ち抜かれようが、驚く素振りも見せない。

そんな中で出会った1人の女性とのロマンスは、切なく終わってしまう。

ラブロマンス的には王道を行くストーリーだが、主人公と恋人の逃亡劇と、クリストリッツァ監督自身の故国を失った過去を重ねて見ると感慨深いものがある。

このラストは主人公にとって、ハッピーエンドだったのだろうか?バットエンドだったのだろうか?
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