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ウーナ 13歳の欲動のTOTのレビュー・感想・評価

ウーナ 13歳の欲動(2016年製作の映画)
3.7
私は愛されていたのか、それとも単にあなたの小児性愛の対象だったのか。
15年前を遡る男女によるHe Said, She Saidの会話劇。
実際に起きた事件からインスピレーションを受けたデヴィッド・ハロワーによるオリヴィエ賞受賞戯曲の映画化(脚本もデヴィッド・ハロワー)。
舞台セットに近づけたんだろうなと感じさせる工場という閉じた空間、ヨルゴス・ランティモス作品常連ティミオス・バカタキスによる撮影の不穏と、ジェド・カーゼルの音楽もたらす緊張感。
NTLiveを除いては初監督のベネディクト・アンドリューズ監督の演出も冴えている。
ベン・メンデルソーン、ルーニー・マーラ、リズ・アーメッドの俳優陣も素晴らしい。ウーナの少女時代を演じたルビー・ストロークスも!
映画化にあたりキャストとサブプロットを増やしたことで、最初の問いは弱まっているのかもしれない(あと、ウーナの典型的な堕ち方も腹立つ)。
でも観客に問いかける姿勢は舞台も映画も変わらないだろう。
私はこれが愛だとは思わない。
君もリスクをわかっていたはずだと当時13歳の少女との関係を振り返る男の愛など信じない。
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