けーはち

彼女がその名を知らない鳥たちのけーはちのレビュー・感想・評価

3.6
Filmarksティーチインつき試写会にて。登場人物共感度0がウリのイヤミス(後味の嫌なミステリ)恋愛劇。0は盛り過ぎと思うが普通に9割くらいは付き合いたくないヤバキャラ達。蒼井優演じる自堕落身勝手クレーマー女、阿部サダヲ演じる下劣で小汚くて愛が重いピュア中年男の二人が主人公で、イヤな面から徐々に魅力的な一面や過去の謎をチラ見せ、惹き込んでいく。書き割りを倒すと回想シーンに繋げるなど、演劇的演出を交え、過去・現在の混沌とした「時の止まった」登場人物達の因縁を強調し、最後に全てが繋がる瞬間、まあベタながらもスジが通っていて気持ち良くも思える話の造り方は、邦画ゆえの説明しすぎ感もあるものの、佳良。意識高い系クズ男の竹野内豊と松坂桃李も秀逸。ティーチインでは松坂桃李の乳首に砂が積もった撮影裏話なども聞けて楽しかった。
【以下蛇足】阿部サダヲの役名が陣治(ジンジ)というのでボサノヴァの名曲を思い浮かべたが、原作小説には何か説明があるのかな?