majimakira

バトル・オブ・ザ・セクシーズのmajimakiraのレビュー・感想・評価

4.1
「性差を超えた戦い」、というよりも、性差そのものとの戦いを、当時の現役グランドスラムチャンピオンのビリー=ジーン・キングと、かつての実績ある男性プレイヤーであるボビー・リグスが、エキシビションマッチとして繰り広げる。ギャンブル狂で言動も破天荒なボビーの多くの挑発を、全米テニス協会を脱退したほどの覚悟をもってこの社会問題と戦うビリー=ジーンが、強気に、真っ直ぐに迎え討つ。
事実としてあったこのようなマッチの意義と緊張感に興味を引かれたのはもちろんだが、周辺で進むエピソードもとても細かく描かれている。ビリー=ジーンがやがてLGBT問題にも深く関与するきっかけとなる出来事や、愛情深くそれを見守る夫、また、めちゃくちゃに見えるボビーのパフォーマンスの裏にある優しさ、そして、一度は愛想を尽かされた妻との復縁など…。
まとまりよく、温かい気持ちになれる良い作品だった。
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