ひでG

バトル・オブ・ザ・セクシーズのひでGのレビュー・感想・評価

3.9
とても良い映画だった!
タイトルも含めてもっと上手に売れたんじゃないかなと思える良作。

バトルする二人の側面も、
人間的につまり良い面も良くない面も、
強い部分も弱い部分もバランス良く描かれていたと思う。

まあ、詰め込み過ぎ感が多少あるので、
虐げられた女性の立場が、ある勇気ある人々の努力で切り開かれていくと言うドラマとしては、
例えば、不朽の名作「ドリーム」と比べると、やや弱い気もするけど、

クライマックスに一直線に向かう様は、「ロッキーシリーズ」をも彷彿させるカタルシスかある。

お調子屋のリッグスがどんどん調子に乗っていくところなど、
ほんとは悪役オンリーにしかならないし、勝敗の点でも、女性差別側が負けてくれることを全観客も望んでいるんだけど、
スティーブ・ガレルの軽妙な演技で、
負けた方にも感情が残ってしまうあたりも
この作品の良さなのかもしれない。

夫と愛人?に見送られ、会場に向かうビリーのシーンとか、
エレベーターでのリックズ親子の別れなど、印象的な描き方もいくつかあるし、
クライマックスのテニスシーンもスポーツ番組のダイジェストくらいのリアリティもあり楽しめた。

ただ、これは作品の善し悪しとは関係ないし、制作者がそんな意図を持っていたかは知らないが、
ラスト後のクレジットを見て、ちょっと切ない感じも持っちゃった。

50を過ぎた元ウンブルドンの勝者と現役の女子テニスプレーヤーの世紀の対決!

でも、それは彼らの人生の大きなターニングポイントには違いないけど

彼らの人生は当然その後も続いていったんだなって、少し切ない。当たり前のことだけど感じちゃったな。

エマ・ストーンはアカデミーまで登りつめて出演作だったけど、出る作品をナイスチョイス!
ひでG

ひでG