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羊と鋼の森のマリンのレビュー・感想・評価

羊と鋼の森(2018年製作の映画)
3.6
原作の世界観が忠実に再現されていると思う。澄んだ空気感とか、張りつめた緊張感とか。原作を読んだ時に、実際の音楽を聴きながら読みたいと感じたのだけど、ある程度その欲求を満たしてくれた。

音楽がいい。調律のシーンの音もいいし、実際のピアノを弾くシーンもいい。さらにBGMとしてかかっているピアノの旋律も美しい。さらにエンディングの辻井伸行のピアノ曲にいたっては映画が終わってからも頭の中で鳴り響くほど印象的。

主演は山崎賢人くん。最近彼の映画よく観てるなあと思って調べたら、「ジョジョの奇妙な冒険」「斉木楠雄のΨ難」「氷菓」と、ここ一年の彼の作品は全部観てた。まるで大ファンみたい(笑)
上記3作品と比べると、段違いにいい演技でした。

原作でピアノを弾く双子の女の子を上白石姉妹が演じていた。上白石萌音と上白石萌歌は双子ではないし、双子ほど顔も似ていないのでどうなるんだろうと思ったら、特に双子という設定ではなく、姉妹という設定だった。双子であることにも意味があると思うのは私だけだろうか?

先日、上白石萌歌の主演舞台「続・時をかける少女」を観たけど、その時より子供っぽく見えた。撮影時期がいつかわからないけど、そんなに前ではないと思う。もし、あのあどけなさが演技だとすると、とんでもない女優になるかも。
上白石萌音は、「君の名は。」でブレイクしたけど、声優よりは女優向きだと思う。
この姉妹は大物の予感。

鈴木亮平、頼りになる先輩役はうまい。
城田優、嫌味な役がほんと似合う。
三浦友和、こんな上司憧れる。
吉行和子、一言もセリフがないのにその存在感たるや!

原作ファンでも、満足できる仕上がりになってると思いました。
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