ゆっきー

海の詩のゆっきーのレビュー・感想・評価

海の詩(1958年製作の映画)
4.0
ロシア映画らしい、地方の再興をテーマにした共産主義プロパガンダ映画ながらも、ドヴジェンコ脚本なだけあり、どっちかってと、大地と自然への賛歌のような映画であった。
しかしながら、この映画の凄さはそんなところにはないわけですね。

とにかく、回想シーンが映画表現として、ブチギレてるに尽きる。
例えば、将軍が自分が育った村に帰還し麦畑を歩くシーンで、将軍の戦争中の回想が始まるのだが、将軍の横の麦畑のまっただ中で戦車が出現し戦争がおっぱじまるっていう。アンゲロプロスもびっくりである。
彼が実家に返ったところでまた回想というか人生のフラッシュバックが始まる。ここはぶち切れてるというより、ひたすらエモ。エモいっす。ドヴジェンコ『大地』ばりの美しいモンタージュ。

議長の娘が男にフラれて自殺し、議長がその男の元へ駆けつけるシーンなども、議長の脳内復讐の映像が物凄いw ここは凄すぎて笑ってしまうレベル。何と言っても、議長の怒りのパワーで相手の男の事務所が崩壊するのだw
そのあと、雷雨の中でのむち打ち攻撃wちょっとこれはやりすぎw
ゆっきー

ゆっきー