凛太郎は元柚彦

メアリーの総ての凛太郎は元柚彦のレビュー・感想・評価

メアリーの総て(2017年製作の映画)
3.0
19世期イギリス、18歳という年齢でベストセラーのフランケンシュタインを書き上げたメアリーシェリーの伝記映画だ。
小説家を夢見るメアリーは"異端の天才"と呼ばれる詩人パーシーと出会い恋に落ちる。パーシーに妻子がいることが発覚し父親に反対されるが、メアリーはパーシーと共に生きたら何か美しいものが生まれると信じ駆け落ちした。しかし、待っていたのは人の醜い都合と過酷な現実だった。そんな残酷な現実は彼女のなかで怪物を生み出し、誕生したフランケンシュタインは皮肉にも人々の心を掴むベストセラーとなったのだ。
フランケンシュタインや狼男などのクラシックホラーが時代をこえて評価され続けているのはなぜか。
それはただの怖い話ではなく、その背景に戦争や差別社会の時代背景が隠れているからである。怪物というフィルターを通して世間の姿を見る、そこにその時代を生きた人々の恐怖心や絶望が現れるからホラーって恐ろしいんだよね。ただわーって脅かしたりグロい描写ぶち撒けときゃいいってもんでもないわけよ。
悲しき怪物はなぜ生まれることになったのか。良作。