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ガルヴェストンのねるねるのレビュー・感想・評価

ガルヴェストン(2018年製作の映画)
3.5
酒を飲まなければ本音も言えない不器用なロイ。虐待を受けて育ち、身を売るしか生きる術のないロッキー。
不確かな関係の二人を繋ぐ不確かな感情が、やがて確かな愛情になっていくプロセスを、メラニー・ロラン監督は静かに丁寧に描写していく。

ロッキーとロイがバックハグで踊るシーンは刹那的で美しい。
救いはロイの願いを叶えてくれたステファニーに真実を告げることができたこと。
赤いドレスのロッキーが振り返って微笑む。「ありがとう、愛してる」あの笑顔はきっとそう言ってる。

ノワール系男女の逃避行モノは数あるけれど、類似作品に埋もれない輝きがある。ハリケーンの多い街ガルヴェストン。耳に残る響きを忘れないだろう。好きな作品になった。

エル・ファニングは水のような女優さんだと思う。しなやかな感性と透明感。水が容易に形状を変えるように役柄にすっと入っていく。そんなイメージ。実際は違うんだろうけど。
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