このレビューはネタバレを含みます
実話に着想を得た作品だとは知っていたが、まさかここまで再現されているとは思えなかった。
本作の主役のローマンを演じるシュワちゃんは彼のキャリアの中でももっとも普通の良き父親像に近く、それは奇しくも加害者となってしまった管制官も同じ。
しきりに金で解決しようとし、正面から向き合わない航空会社に絶望し、隣近所や同僚らのかけてくれる言葉で立ち直るきっかけを見出そうとするローマンの姿は心を打たれる。
ただ、それだけによくある感動物のラストを予想していた自分の予想を裏切る「ナーメテーター」アクション(最近だと『ベイビー・ドライバー』でもあったが)には驚かされた。
公開館こそ少なく、なかなか評価されづらい作品だけど、シュワのキャリアを深める良い作品になっているのではないだろうか。