りめんばーみー

きみの鳥はうたえるのりめんばーみーのネタバレレビュー・内容・結末

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

酷評します。
申し訳ないが、ストーリー、演出ともに何かいやらしさがとても鼻につく映画でしかない。

【なにか勘違いしてないか?】
クラブのシーン、卓球シーン、部屋のシーン、ベットシーンなど、基本的に長い尺が取られる。
その中での演技はとても良かった。素のままの姿が緻密に描かれていたと思う。
しかしだ、あの長い尺は必要なのか?
あの日常のシーンは本当に必要なのか?

たとえば、古典で言えば『東京物語』や最近なら『万引き家族』も日常をこれでもかと描く。
それらが鼻につかないのは、
・普遍性
日常の機微、感情など、誰もが感じる、共感できるシーンである。
・必然性
観客が共感できると同時に、ストーリー上、そのシーンが必要不可欠であること。

単純な日常を分析すればこんな感じだろう。

この『きみの鳥はまだうたえる』はどうだったであろうか?
これらシーンは映画として成功しているというレビューもあったが、私は否定する。
以下、映画を観ながら感じたこと。
・あの生活日常シーン、ベットシーン、クラブシーンは記号的なものにすぎず、名作と言われる作品のレベルには到底及ばないし、はっきり言って下手。
雰囲気だけを醸し出すだけ。ただそれだけ。似て非なるシーンに騙されてはいけない。
・シーン一つ一つに必然性、必要性はあったろうか?
すべて別のシーンで代用ができるシーンばかりであり、この舞台でなくてはいけない、というシーンが一切ない。
(ついでに言えば、函館で撮る必要も一切ない)


総じて、人間への洞察も含め、何か大きく勘違いした作品だと私は思う。
柄本佑、染谷将太、石橋静香の演技が良かっただけに(特に石橋静香はよかった)、本当にもったいない。
もっと工夫の余地があっただろうと感じてしまう。
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