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死を呼ぶスキャンダル
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『死を呼ぶスキャンダル』に投稿された感想・評価

スピルバーグの最後のTVプロジェクトらしい。シリーズのパイロット版的に製作されたがシリーズは実現しなかったとか。
76分と尺も短く見易いサスペンス。まあまあ面白い。
著名な裁判官のスキャンダル写真をジャーナリストのポール・サヴェージに売りに来た女性が謎の死を遂げる。それを独自に捜査するサヴェージ。

サスペンスの王道的ストーリーに人気TV番組を持つジャーナリストの特権(職権)を絡めた終盤の展開はよかったし、後の「ペンタゴン・ペーパーズ」に近い政治絡みでテンポが良く展開していくのも良い。

前年の「ヘキサゴン」よりは面白かったが、後のスピルバーグがどれだけ傑作を出し続けてるかみんなわかってるだけに、これは「初期作品ながらきっちり仕上げてるんだな」という確認に終わってしまった感じ。
『Savage』(1973)

スピルバーグの下積み時代のテレビ映画として最後の作品。

スピルバーグ自身この企画にはあまり乗り気ではなかったらしいが、確かにメインとなる調査過程に、そこまで内容の面白さを見出せなかった。脚本の弱さをスピルバーグ自身も感じていたのではないだろうか。

だからこそなのか、カメラワークの遊びや実験的なショットが随所に見られる。

手前・中央・奥で会話が展開される3点構図や、被写体からピントを外してそのまま次の場面へフォーカスを合わせるモンタージュ。さらには、後の名作を生み出す上でも欠かせない影を巧みに扱った魅力的なショットの数々。

70分という短い尺の中に、映画表現の教科書として抜粋されている場面がいくつもあった。

また『ジョーズ』『未知との遭遇』『ジュラシック・パーク』にも通じる、脅威を焦らし、あえて見せないスピルバーグの技も、この頃から既にその片鱗が見て取れる。本作でも物語の中心人物であるスターンに迫りながら、肝心の本人の姿をなかなか映さない運び方にしっかりスピルバーグを感じる。

発端は最高裁判事候補のスターンと若い女性リーが写った一枚の写真。調査を進めていく内に、単なる不倫疑惑ではなく、ライカーによる脅迫や権力への介入が浮かび上がってくるが、そこからテレビ記者の主人公サヴェージが直面する「知る権利があるからといって、知ったことを何でも報道していいのか」という問い。

スターン夫妻の私的な事情まで暴けば大きなニュースにはなるが、それが事件の本質を伝えるために必要なのかは別の話という、真実を追うことをやめたのではなく、真実を知ったうえで、何を世間に伝え、何を当事者の間にとどめるべきかを自ら選択する。

その辺りは『市民ケーン』とも重なる部分がある。

メディアが持つ影響力によって世論が動かされ、一人の人間に対する印象さえ操作されてしまう。その恐ろしさと同時に、真実を知ること、それを世間に公表することは必ずしも同義ではないのだと考えさせられた。

半世紀以上前の作品でありながら、SNSによって誰もが情報の発信者となった現代にも通じる、ジャーナリズムの倫理と他者の尊厳をめぐる問い。

物語そのものにはそこまで惹かれなかったものの、スピルバーグの映像表現に対する探究心と、報道のあり方について考えさせられる一作でございました❗️
デビュー初期のスティーヴン・スピルバーグが監督した現状最後のテレビ映画。ニュースレポーターのポール・サベージが、最高裁判事候補に纏わるスキャンダル、そして謎の転落死の真相を追う。

サベージがニュースレポーターを務める番組が始まる冒頭は良かった。番組スタッフがそれぞれの持ち場でスタンバイする情報量の多い掛け合い、それを次々に切り替えて映していく編集、そして番組開始と同時に映画自体のタイトルが出るオシャレさなど、スピルバーグの演出力が冴え渡っていたと思う。

ただ全体的にミステリーと盛り上がりに欠ける印象。最高裁判事候補のスキャンダル写真がキーとなってくるのだが、普通に女性とのツーショットというだけでセンセーショナルさは無いし、転落死した女性の謎もただ関係者を順番に当たっていくのが基本で、画的にもごくありふれたテレビドラマという感じが否めない。前作「恐怖の館」についてもそうだったが、やはりデビュー作「激突!」がいかに特別で、予算的にも恵まれた環境で撮っていたんだろうなというのが窺える。

撮影スタジオを舞台としたクライマックスは見応えがある。白い背景に投影されたシルエットで対峙する2人、撮影用ビデオカメラの機能を利用して犯人を欺くハッタリの利いたやり方は面白かったと思う。
冒頭と同じくニュース番組の開始で映画自体を締めるのもオシャレで好きだった。