まっと

ハウス・ジャック・ビルトのまっとのネタバレレビュー・内容・結末

ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

うっかり(うっかり?)アングストを先に観ちゃったせいで「こいつを絶対に理解しない」の目線で見すぎてしまった感がある

ジャックの殺人珍道中を本当に「いい加減にせい」という気持ちで観ていたので、エンドロールで気持ちそのままの歌が流れたことには笑ってしまった 吉良吉影じゃないですけどジャックは残念ながら人間社会にいてはいけない生き物で、排除することを正義としなければいけない(私は4部を町の異物、ひいては人間社会の異物を追い出す抗体物語だと思っています) 人間は彼と断絶しなければいけない ただやりたかったんです好きなんですの理屈を許してはいけない……
けど、私が法や倫理を基盤として思うこの考えはどれだけ正しいか 足元がぐらつかされる 魔女狩りや異端者狩りや差別諸々 全部「当然正しい」と思われてしまったから生まれた排除だったのでは……もちろん他者の命を奪うことが「あり」とされる理屈はどこにもないと当然思う 思うけど いろいろなことの「当然」を疑う気持ちと「当然じゃない」場合があることを認識しなければいけないような……そんな気持ちになった

それにしたって警察です→保険屋ですのガバガバは笑うし 奥さんあんたも家に入れんじゃないよだし 夜道歩いてるだけで轢かれる老女にも笑ってしまうし しっかり描写された親子殺しに激しい嫌悪感と「よくここまでやったな」の感心みたいなものも芽生えるし おっぱい財布は再びちょっと笑ったし 観ているこっちが一番命を軽んじた芸術への好奇心を抑えられていないんですわね……

だから最後しっかり落ちてくれてほっとした
あるべきじゃないと一応描いてくれたから…… どことなく「倫理ガイドライン的に一応落としといたよ」みたいに見えるのはゾッとするけど……
まっと

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