完全に主観でしかないので悪しからず。
人の死と共に芸術を感じる男ジャックの作品を、本人の解説を交えて鑑賞する映画
まず、直接的な描写を用いて人の死を表現しているため、とてもグロテスクかつ残虐かつ非道極まりないです。そういうの大丈夫な方じゃないとしんどいと思います。
この映画では、人の殺される様子がマジマジと映し出されます。独特なカメラワークと画角で流れていくそれは、まるでその場にいるもう1人の誰かがインスタントにビデオカメラを回しているかのようにも感じました。もしかしたら、自分がその場にいるように感じる人もいるかもしれません。
その唯一無二の臨場感に私は引き込まれました。
無作為に選ばれた人間に降りかかる理不尽な死は、しかしそこにはジャックにしか分からない理由があり、芸術がありました。恐らく、これからも私にその全ては理解出来ないでしょうが、その片鱗に触れただけでこれ程心が乱されるのだから、彼の芸術は、大きく偉大な作品と呼べるのかもしれません。
また、作品を通して、間に流れてくる沢山の映像や作品の映され方、内容から、主人公ジャックではなく監督ラース・フォン・トリアーの叫びのようなものを感じたような気がします。巧妙に隠しているようで、手がかりをチラチラと見せているような。わかって欲しい、見つけて欲しい。そんな心の叫びを観たような気がします。
ラスト15分に完成する監督と主人公ジャックの集大成を見届ける頃には、あなたはこの映画のファンになっていることでしょう。
エンドロール大好きです。
長々と失礼しました。