三樹夫

ハウス・ジャック・ビルトの三樹夫のレビュー・感想・評価

ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)
3.8
リアルサイコパスのモノローグ殺人紀行といいますか、主人公は様々なシリアルキラーとサイコパスの特徴をモザイク的に構築してできたキャラクターのように思える。オッパイ財布は死体から小物アイテムを作成というのでエド・ゲインを思わせるし、松葉杖をつくのは怪我人や障碍者を装い相手の親切心につけこむというのでテッド・バンディを思い出す。他にもミソジニーやナチス傾倒の殺人鬼というのも実在する。
主人公のサイコパスっぷりが最高に発揮されるのはチャプター2でのお宅訪問押し問答だろう。警察です、バッジを今日持ってないのはなんたらかんたら、実は保険外交員なんですの全部嘘の重ねっぷりがこいつマジのキチガイだろ感がうなぎ上りで上昇していく。
笑いどころもあって、主人公は潔癖症かつ強迫性障害なので殺した後の飛び散った血痕が気になってしょうがない。額の裏や椅子の脚の下など、そんなとこに血が飛び散ってるわけない場所に執着して家を出る、血痕が気になって拭きに戻るを繰り返し笑いを誘う。一度拭いたところをまた拭きに戻るところが強迫性障害あるあるである。

主人公は家を建てようとして中々建てることができないのだが、ついに家を建てる瞬間が到来して、そのついに建てることのできた家がこれかよとなんか笑ってしまった。死体で一杯の冷凍庫や引きずられてズタボロになった死体など、ゴアがコンスタントに挿入される。せっかくR18なんだからオッパイ切り取るところ全部見せてほしかったが。ダンテの神曲もあからさますぎてボルテージが下がる。これからは好きな数字を訊かれたら100万と答えるつもり。
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