JTKの映画メモ

ハウス・ジャック・ビルトのJTKの映画メモのネタバレレビュー・内容・結末

ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

※ネタバレ注意

映画観るまでは可能な限り何も知りたくないので、猟奇殺人ってことと、何を間違えたかシャロン・テートに関する作品(観たらシャロン・テート事件とは関係なかった)ってことくらいしか知らんかったわけだが。
「セブン」とか「羊たちの沈黙」がまっとうなシリアルキラー映画だとすると、流石鬼才ラース・フォン・トリアー。絶妙な狂い方してて、やはり好きだわー、この感覚。
殺戮シーンはカンヌで途中退場した人が続出したのも頷けるほど限りなく残酷でエグい。だから観る人を選ぶというか、この感覚がマッチしないと胸糞悪いだけの作品になってしまうかもしれんが、わしは幾度かクスッと笑ってしまった。それも普通だったら目を背ける最も反モラルなとこで。
まっとうなシリアルキラーものでは笑えないところを笑わしてしまうとこがトリアー監督の鬼才たる所以。やはり変態だわ。
音楽の使い方もバツグンで、ボウイの「Fame」が繰り返し挿入されるんだけど、そのタイミングのセンス。素晴らしい。エンディングの選曲も笑えたなー。
ほんでまあ、コロコロ人殺した罪人の最期はまさに地獄へ落ちるんだけども。いや、ホントに落ちたんだけども。地獄へ。それに連なる後半のシーンは、タルコフスキーの「ストーカー」を彷彿させるほどの素晴らしさ。圧巻。
ラース・フォン・トリアー監督作品は全作観てるわけではないが、どれも素晴らしい。変。唯一「ダンサー・イン・ザ・ダーク」は"ビョークが可哀想すぎる"というビョークファン故のしょーもない理由で苦手だが。
次作が楽しみすぎる監督さんの1人。
そういえば、エンドロールで気付いたんだけども、最初に殺される女性はユマ・サーマンとな。「パルプ・フィクション」のイメージ強いんで全然わからんかった。