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ハウス・ジャック・ビルトのtubure400のレビュー・感想・評価

ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)
3.8
連続殺人鬼とか、サイコパスについて詳しく知りたくなる気持ちとは一体何なのだろう。自分はここまで異常ではないぞ、と確認する独特の安堵感というようなものなのか。大学生の頃に西岡兄妹の漫画を読んで、そこに暗い癒しのようなものがあったのを思い出した。こんな事を芸術の名の下に表現していいんだな、とホッとするような気持ち。執拗なDavid BowieのFameも、意味合いはよくわからないけどすごく悪魔的で、音楽を聴いてそういうふうに生々しい不気味さを感じることなんか普段あんまりなくなっていたなと思わされる。

これを容認していいのか、などと考える必要もなく、ひたすら悲惨な描写が続く。序盤は残酷なうえにやたら冗長で、なんか、やだなーという気がするけれども、段々と(殺し方が)遊びというか、円熟味というか、ダークな芸術性を帯びてくるのが心地よい。最終的には主人公が無事にフルメタルジャケットをゲット出来るよう祈りたくなる。クソみたいな悪意に満ちた映画だし、それがそういうものとしてそれなりに人気があるのはすごく夢のある話だと思わされた。
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