ヨダセアSeaYoda

ハウス・ジャック・ビルトのヨダセアSeaYodaのレビュー・感想・評価

ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)
4.4
"君は自分を特別だと思いたいようだが…"

【STORY】
 サイコキラーのジャックは語る。彼が行ってきた殺人に関わる5つの話を。
 建築家になりたかった彼が作り上げる物とは、そして彼を待ち受ける結末とは…
 マット・ディロンの怪演が光る、殺人鬼の物語。


【一言まとめ】
●不条理で胸糞だけど、楽しんだもん勝ち
●忖度なしの残虐殺人描写に震える
●観客を嘲笑うトリアー監督の真髄


【感想】
《サイコなシリアルキラー3貫》3貫目

 とりあえず、大晦日に観るもんじゃない!笑
 でもやっぱり名作だと思います。


 不条理で胸糞なのは事実だし、途中退出者続出という触れ込みも理解できます。
 でも今作はあくまでコメディとして作られている(はず)!なので、正面からぶつかりに行ってダメージを食らうより、笑って楽しむのが正解だと思います!!


 獲物の選択にも、グロ描写にも、殺し方にも、何についても忖度も容赦もしない!!というトリアー監督の気概が窺える今作。
 その"オブラートゼロ"っぷりこそ、今作を何度も観たくなる理由です!

 "ここまでやったら批判される"とか、"こういう殺し方はさすがにまずい"とか、そんな気遣い・配慮は一切なし!!
 ジャックならきっと、こんな人をこう殺す!というのを真っ直ぐに表現してみせる、貫徹した作風が最高なんですよね…!


 えげつない事ばかりやってしまうサイコパスのジャックに、常識人な観客のヘイトはどんどん溜まるでしょう。
 溜まったヘイトへの回答はどうするのか?溜めたままにさせるか?それともスッキリさせるか?

 …結末にも色々やりようがある中で、トリアー監督が選んだ道が、どこまでも観客を嘲笑います…!!
 "こんな事誰が想像する?" という手法でおちょくってくるトリアー監督には見事にやられますね😅

 感情の行き場すら与えないめちゃくちゃな掻き乱し方で作品が終わった後の、言葉にしがたいあの気持ちこそが、トリアー監督が今作で作り上げる結末なのではないでしょうか…。

 感情の行き場を与えない、といえば、レビューの冒頭で引用したような台詞。
 ヴァージという人物がジャックにいちいちツッコミを入れちゃうんですよね。それがまた(敢えての)余計で腹立つんですよ!笑
 観客に感想として言わせて欲しい事を全部勝手にヴァージが言う!だから観客が後で色々言って感情を発散しにくい!トリアー監督、本当にやってくれるなぁ!!!

 今度は何しでかしてくれるんでしょうね。ずっとついていきます…笑

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観た回数:3回
直近の鑑賞:BD(20.12.31)
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【星つけた際の個人的評価・好み】
総合点88pt/100pt 星換算★★★☆4.4
 コンセプト点 98pt/100pt✨✨
 ストーリー点 78pt/100pt
 心に迫る点  79pt/100pt
 設定点    70pt/100pt
 キャスト点  83pt/100pt✨
 テンポ点   85pt/100pt✨
 演技点    89pt/100pt✨
 撮影点    84pt/100pt✨
 演出点    80pt/100pt✨
 セット点   86pt/100pt✨
 キャラデザ点 84pt/100pt✨
 衣装点    75pt/100pt
 メイク等点  88pt/100pt✨
 音響/効果音点68pt/100pt
 音楽点    70pt/100pt
 笑い点    78pt/100pt
 ゾワゾワ点  85pt/100pt✨
 ヴィラン点  77pt/100pt
ヨダセアSeaYoda

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