すずめのちゅん

バレー・オブ・バイオレンスのすずめのちゅんのレビュー・感想・評価

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タイ・ウエストは本当に雰囲気作りがうまい。
冒頭、神父とのやりとりからのイカしたオープニングで一気に引き込まれる。
バレーオブバイオレンスと呼ばれる町にリアリティを感じる。
……なんとリアリティすぎて、つまり退屈な町だ。
西部劇なのに銃撃戦は最小限。
悪徳保安官は当然常に悪徳ではなく、劇中では語られるものの実際に悪いシーンはない。
主人公も強がってはいるが一皮向けば弱く情けない男であることがわかる。
エンタメ作品に必要なものはリアリティよりも見せ場であることがよくわかる一品。
そんななかバカ息子がとんでもなくバカ息子でエンタメ的だが、これもリアリティなのは長く生きてればそうそう、ってなる。

なぜ!
どうして!
イーサン・ホークとジョン・トラボルタ共演でこうもキャラクターに魅力がないのか!
タイ・ウエスト!
あなたの最高傑作の脚本はミア・ゴスとの共作だ。
もう美術監督してくれ!

なお最高の役者にハイレベルの演出なのは違いなく、スーパースター二人の渾身の命乞いが見られるので一見の価値あり。