人魚たちの、ララランド。
そしてキッチュなお伽話。
計算された、チープでダークなトーンが目に心地好く、挿入歌の、どこか夜を感じさせる切ない様なマイナー旋律が耳に心地好い。
キャストの顔が 端役に至るまでそれぞれに、夜に生きる異形の者たちの匂いと湿り気を帯びていて、つくり手のセンスを感じさせる。
時々、真夜中に独りで観返したくなる...そんな愛おしさと切なさと格好良さを持つ一本。
『ひなぎく』を思い起こさせる、シュールとイノセンス。
『RAW〜少女のめざめ』と通底する 姉妹映画の系譜として見比べてみるのも一興か。