李

ゆれる人魚の李のレビュー・感想・評価

ゆれる人魚(2015年製作の映画)
3.5
"初恋は、残酷な味がする。"

80年代ポーランド、地上に上がった人魚の姉妹がナイトクラブのシンガーとして働く。アンデルセンの人魚姫のお話をかなり大人向け現代向けにした感じ。だから、大筋はダークファンタジーなんだけど、しっかりR15してて、エロいしグロいし全然電車鑑賞向きじゃなかった。全部電車で観たけど。その中でもこっちまで魚臭さが漂ってきそうな青がかった映像と、合間合間で歌い出す陰気なミュージカルシーン、どこか美しさも感じるんだけど不快感とか気持ち悪さがちょっとだけ上回るストーリー展開が独特すぎて幻想的すぎて若干酔った。でも、ビジュアルも対照的な姉妹の、衝動的な凶暴性と恋する気持ちを持つ繊細な乙女の姿、この二面性がかなり衝撃的で癖になる。人間界という憧れの場所だからこそ、酸いも甘いも経験し一時の夢に身を寄せる彼女たちが儚くて切なかった。あと、私にはミーテクの良さが全く分からない!シルバーはどこに惹かれたの?やっぱり顔か?顔なのか??

好き!とはならないけど、嫌いじゃないかな、ぐらいの感想が1番しっくりくる作品。
李