おかちゃん

Ryuichi Sakamoto: CODAのおかちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

Ryuichi Sakamoto: CODA(2017年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

冒頭「原発反対」の街頭風景が流れる。想像してたより、ずっとリアルだ。私は、彼の抽象的音楽論と音の洪水が延々と展開されるかと思っていた。音楽は人を変える力が有るのか?ふと、John を思い出し彼と坂本教授がオーバーラップして涙目になった。
次に映画は「3・11」で潮被ったピアノをいじくり回す子供のような彼が描写される。彼にとって社会的事象(津波とNY911)が重要のようだ。
 それからは、「教授」らしく歴史に於ける音楽の位置とか、音に対する彼の興味を語っていく。その語り口は、まるで文学者のように雄弁に語る。そう、彼は親父が河内書房の営業マンで、母親は音楽好きな家系なのだ。その人間が、演奏家にならず作曲家になった。作曲家は新しい道具を得て西洋音楽を、どんどん解体し、再構築?する。
見終わった後の私の一言「彼はクラシック界のロックンローラー」だ。

 YMO と戦メリは、彼にとって大きな基礎だろう。経済的基盤も出来てより自分の世界を追求出来る環境が出来た。
【貴方は幸せ者です】ある雑誌で読んだのだが戦メリのキャスティングを、大島監督はかなり迷っていたらしい。武は最初から決めていたようだが、ヨノイは複数候補がいたようだ。でも…。これは戦メリのレビューになってしまうのでこれで止めるが、私が記するのは、彼は純粋に自分が追求する(したい)ものを、突き詰めただけだ。ただ、それが独り善がりにならず、人の心に何某か響く音楽と何らかの意思表明を残したという事だ。
 これは、やりたくても出来ないし、途中で挫折するか、見失うのが普通の人です。これを、全うした彼に賛辞を送りたい、作品をもっと味わいたかった。
ありがとう「坂本教授」😢