音楽がポップでスタイリッシュだが、重厚スパイ映画。
シャーリーズセロンもオシャレで綺麗で妖艶で神秘的なブロンドで、だけど、ガンアクションよりも肉弾戦が多く、結構血みどろの泥臭くねちっこい格闘の連続で骨太。
あれこれ颯爽と狼の群れに飛び込んでサクッと問題解決かと思いきや、情報漏れまくりで囲まれまくりで孤軍奮闘。いつもピンチ。ピンチしかない。
ほとんど前情報ナシで観て、イギリス、MI6、KGB、ベルリンとか西だ東だのドイツという背景と、シャーリーズセロンの美貌とアクションとだけ聞き、アップテンポのPopな音楽に乗せて始まるもんだから、てっきり『キン◯スマン』系をイメージしてたらとんでもない。どっちかというと『ジョン•◯ィック』だわ。これは。かなりガチでハード。
ある意味、シャーリーズセロンを見る目が変わる。
だから、かなり重く、話や人物が入り組んでいるので見応えはある。ちょっと目を離すと誰が何してんのか、どっちの側か、とかわからなくなる裏切りの連続。それにシャーリーズセロンが翻弄されてるのもよくわかる。色々ありすぎてだんだん彼女が何したいのか忘れかけるたびに“リスト”の話が出てきて引き戻される。の繰り返し。
相当、手の込んだスパイアクション映画の部類かな、と。
途中のカーチェイスも長いカットでグルグル回ったり、右に左に前に後ろに、でスタイリッシュなアングルでカッコ良く引き込まれる。
傘のシーンとかもサプライズ的に「おぉ!」ってなって良かった。
ちょいちょいハードな描写も入ってくるけどその度にポップな楽曲で中和しにくる。
その辺は『キン◯スマン』要素、かな。
全体的にはタフなスパイ映画であり、イメージ的には、シャーリーズセロンの魅力に胸ぐら掴まれて引きずられながら「お前、ここも観てけよ!なっ、良いだろ?あぁ!?シケたこと言ってんじゃねーよ!タコが!ちょっとやられちまったけど、おもしれーだろ?」と罵られながら、一息ついた彼女のタバコの煙を顔にかけられながら、色んな場面に無理やり連れて行かされ最後まで逃げられずに「は、はひ、ぜ、ぜんぶ、みまひた、はひ。」とか言わざるを得ない感じの映画。
普通に体張ってるし、カッコいい。