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KUSOのAZのレビュー・感想・評価

KUSO(2017年製作の映画)
3.8
グロく下品ではあるが、どこか洒落てて魅力的な作品。『ナイスの森』をもっと過激に汚くした作品という印象を受けたが(オムニバス形式だし、なんならジャケットも似てる)、監督は日本の作品からかなり影響を受けているみたい。タイトルの『KUSO』はそのまま日本語の”糞”から。ぶっ飛んだ設定の中で、ぶっ飛んだ出来事が正常運転として描かれていく。監督が音楽プロデューサー、DJ、ラッパー、映像作家だけあってミュージックビデオ的な作品だった。点数を高めにしているが、決してオススメはしない。

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内容は一応あるが、正直メチャクチャなので何も考えずに見てもよし。地震によって発生した奇病に侵された世界で、様々な人間の姿が描かれていく。描かれるのは以下のようなもの。

・首に喋る“こぶ”ができた女
・ある“とんでもない虫”で人を治療する医者
・常にお腹を下している男の子
・コンクリートを食べる女
・異星人と暮らす妊娠した女

これらの話が同時並行で進み、時につながるのだが、合間合間に挟まれる不思議な映像によりリズム感があって心地よい。グロく汚いのにこの心地よさが癖になる。

とにかく汚いのだが、目を背けたくなる気持ちと目が離せない気持ちとが同時に起こる。それぐらい表現が巧みでセンス抜群。ストーリーはめちゃくちゃで強烈なのだが、残るのはなんか凄かったという感覚だけ。

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セックスシーン、ペニス、射精、肛門、そして糞といったR18要素満載なのだが、ただの下品な作品にはなってないのがさすが。アート作品としては質の高い映画だった。
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