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あしたは最高のはじまりのsummerchildのネタバレレビュー・内容・結末

あしたは最高のはじまり(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

娘にありったけの愛情を注ぐパパと、そんなパパとゲイのベルニー2人の愛情をたくさん受けて育った娘の物語。いきなり「あなたの子よ」と現れた赤ちゃんをここまで愛情いっぱいに育てられる人がいるだろうか。すべて娘のため。娘のために生きて、共に成長していく。グロリアと動きがシンクロしているシーンにクスッとさせられたり、子供目線に立って親も一緒に成長する描写が素晴らしい。

明るい話かと思っていたら、母親の登場によって納得のいかない展開が続く。ストーリーの盛り上がりのためには欠かせなかったと思うのだけれど、母親の身勝手が度を過ぎている上に、実はグロリアが余命いくばくもない病気だということが分かってやるせなかった。サミュエルがあれだけ毎日をコミカルに過ごしていたのはそういうことだったのかと知り泣いてしまう。これはずるい。そういうわけで本作は悲しい結末を迎えるのだけれど、グロリアを亡くした後のサミュエルのモノローグの表情が、悲しさの中に未来を見据えられていて、どこか前向きになれるような気がした。

強いて言うなら、原題のDemain Tout Commenceは「あしたは新しい一日」という意味で、「最高の始まり」ではないんじゃないかなあと思ってしまった。
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