太賀くんの演技が光る。彼は「淵に立つ」や「ゆとりですがなにか」で一躍若手俳優トップクラスまで上り詰めた名優だが、どこにでもいそうな若者の演じ方が物凄い。
本当は真っ直ぐで心優しいからこそ、仲間には強く当たってしまうし自分の置かれてる境遇を変えようと必死になる。
彼の出てる作品をもっと観たいと思わせてくれる映画ではあった。
しかし、今作は物語自体の推進力が全くと言っていい程ない。また、登場人物も書き割りで誰一人立ち位置を変えようとしない。
主人公は正にバンドマンの彼女という人物像で、きっとこうなるだろうなと冒頭で考えてた通りに結末を迎えるので味気ない。
コミカルな演出やバンドメンバーの浅香航太さんや若葉竜也さんの配置は上手かったので、焦点をバンドの方に寄せても良かったかもしれない。
