Yuri

空飛ぶタイヤのYuriのレビュー・感想・評価

空飛ぶタイヤ(2018年製作の映画)
2.2
初・池井戸作品です。苦手なジャンル&文体なので、これまで避けていました。人が実際に亡くなっている実話をベースにしているので、いつもの池井戸作品のように、スカッとする終わり方ではなく、人ひとりの人生の重さをズシリと感じさせるお話でした。人ひとりの命が、被害者家族、加害者だけでなく、その会社、大元となる大企業、系列企業、過去に同じような事件に遭った中小企業に生きる、すべての人々の運命を変えていく様は、考えさせられるものがありました。現代日本を支えているのは、名もなき中小企業たちで、すべての人たちは日本という歯車の中で繋がっているのだなぁと。リコール隠しをしようとしている人たちは分かりやす過ぎるくらい悪代官で、それを告発しようとしている人たちは理由なき正義感を持って動いている人物も多く、ラストの大逆転はいわばラッキーによるところも多く、リアルな説得力には欠けました。こういうところが池井戸作品が苦手だなぁと感じるが所以です(^_^;) 赤松の人を信じる、想いは届くと信じる姿勢は、人の核として大切な事ですが、社長としてはリスキー過ぎるかなと。でも、中小企業はその信頼性で成り立っているのも現状で、他人の人生を背負う責任って、何だろうと考えてしまいました。人としては、沢田や井崎の生き方の方が共感出来るかな。リコールをして信頼性を取り戻す方が、隠すよりも明らかに損害が少ない筈なのに、何故、隠しちゃえとなるのが、よくわからず、モヤモヤする作品でした(>_<)