てぃらみす

空飛ぶタイヤのてぃらみすのネタバレレビュー・内容・結末

空飛ぶタイヤ(2018年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

池井戸作品初の映画化ってことで期待してましたが、結論から言うと池井戸作品はドラマでやった方が良い気がしました。
ドラマになった「半沢直樹」でも「下町ロケット」でも「陸王」でもそうですが、視聴者が毎週登場人物たちと一緒に悔しい気持ちを味わって、その気持ちを積み重ねていって最後に大きな敵を見返す。当たり前ですがその積み重ねが映画の2時間では到底出来ないわけで…。だから登場人物に感情移入もしづらいし、最後に問題が解決してもそれほど「よっしゃぁぁぁぁぁぁ」って感じがしませんでした。

今回の映画も最後まで見ると「赤松による回想録」みたいな手法で描かれていますが、開始1分くらいでいきなり事故るし、赤松がどんな社長なのか、赤松運送の社風がどんななのかの説明もなく唐突に話が始まっちゃうため、途中で「赤松社長にはついていきます!」みたいになっても、「なんで?」ってなっちゃいました。
例えば今、「半沢直樹」の続編を映画でやります!ってなっても、ドラマで全てセットアップが終わってるので、いきなり事件が起きても置いていかれることは、ドラマを見ていればまず無いと思います。
でも今回はいきなり映画だったから、導入はもっと丁寧にやるべきじゃなかったのかなーと。期待してたからこそちょっとがっかりだったかな…

役者さんたちも悪くはないですが、あまり惹きつけられる感じもなく、メインの2人(長瀬、ディーン)が思ったよりも静かめな演技をしていたので、余計最後の爽快感がなかったかも。私としては「半沢直樹」並の顔芸を期待してたんだけども。笑

長瀬さんはやっぱり赤松社長ではなかったかな…頑張ってたけど、小説読んだときに真っ先に役所広司さんのお顔が浮かんだくらい、「くたびれたおっさん」のイメージが強くて。中小企業の社長にしては全体的に洗練されすぎていて、どちらかというと沢田の方が合ってそうでした。
問題が解決した時にみんなと喜ぶんじゃなくて、ホッとしたあまり力が抜けちゃう感じの表情がやけにリアルで上手かったです。
ディーンフジオカさんは沢田のイメージ通りでした。

高橋一生は、言い方が悪いですが客寄せパンダでしかなかったです。あの感じだと多分1日か2日で撮影終わってるな…。小説だと井崎も結構頑張ってたんだけどなぁ…まぁ映画でそこまで描くのは無理だとは思ってましたが、本当に「稟議を止める」だけで終わりって…笑

あと申し訳ないですか、サザンの主題歌がズッコケそうな勢いで合ってなくて、耐えられずにエンドロール途中で帰りました。観たあとの雰囲気にそぐわなすぎ。

…ってなんか文句ばっかりですが(笑)このメンツで日曜21時の連ドラやってほしかったなー。
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