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ワイルド・スピード/ジェットブレイクのsomaddesignのレビュー・感想・評価

5.0
こんどは宇宙だ!

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相変わらず濃厚にもほどがある!ラーメンで言えば、背脂ドロドロ濃厚魚介豚骨。
背脂と塩気とニンニクマシマシで、過剰すぎる味の濃さが観客へのサービスだと思ってるフシある。ちょっとした風邪くらいなら治せてしまいそうな、ハイテンションとエネルギー。心の胃腸が弱い人はむしろ体調悪くしそう。ユンケルかエナドリみたいに一度に大量摂取はオススメできない。(暇に任せてシリーズ一気見とかすると、ハイカロリーすぎて熱が出たりして)

ジャスティン・リン監督復帰作。
監督の出世作にしてシリーズイチの黒歴史「TOKYOドリフト」を15年越しでリベンジ。車強盗シリーズだったワイスピを、現在のスパイアクションにブラッシュアップした人であり、メガヒットシリーズにした大功労者。6作目「ユーロミッション」以降は「スタートレック BEYOND」を撮ったり、TVシリーズ「S.W.A.T.」に関わったりとしばらくシリーズから離れてた。今作で3作ぶりの監督作。6年ぶり5度目、甲子園ならもう常連校と言っていい。

シリーズを重ねるごとに舞台設定やラスボス(乗り物)がエスカレートしてくのも恒例になった。前作だと潜水艦、前々作だと戦闘ヘリだったっけ。今作ではついに宇宙まで出ちゃったので、シリーズの最後にはUFOとアメ車が戦う映画になると思う。


監督の黒歴史にも決着をつける作りに見えて、長年正史から外れてた「TOKYOドリフト」の面々が15年の歳月を経てやっと合流。死んだと思われたハンとの邂逅はシリーズ屈指の名シーン。
今更ツッコむのも無粋なので、カジュアルに仲間が死んだり生き返るのは男塾みたいものとして積極的に楽しむべき!富樫、生きとったんか!

劇中の時間経過が分からないけど、当時高校生だったショーンもすっかりオッサン。演じたルーカス・ブラックが元から老け顔で「どう見ても30前後のオッサンが日本の高校に編入する変な映画」と評されたのも今は昔。名実ともにオッサンとして完成されたルーカス・ブラックの老けっぷりが泣ける(調べたらTOKYOドリフトの時、ルーカス・ブラックってまだ22歳くらいだったのね)。15年前から体型が変わらないのすごいし、むしろ痩せた印象。老けてからスリムになってると健康を心配しちゃう。そういや「スカイミッション」にもカメオ出演してたけど、たった6年で老けすぎでわ。
(「TOKYOドリフト」といえば、先日急逝された千葉真一も超カッコいい役で出演してたな。巨星の別れにワイスピ関係者も心を痛めていることだろう)

新キャラ・ジェイコブを演じたジョン・シナ。ジェイコブの子供時代から大人になった顔が変わりすぎて、描かれていない期間の苦労が偲ばれる。
ジェイコブって名前からして聖書になぞらええ兄弟争いが暗示されてるし、ヘブライ語の語源ヤコブには「だしぬく者」って意味もある。名前からしてその後の展開を伺わせるキャラ設定。設定もキャストも脂っこい!何気にハゲor坊主じゃない男性キャラが出てくるのも久しぶり。

毎回ラストでBBQしてるのももはや様式美。アメリカ人はやっぱBBQで上手に肉を焼ける・取り分ける姿に頼れる家父長を感じるに違いない。
3作目に死んだハンや、不在のブライアンへの深い絆を感じさせつつ、一方でホブス(ドゥエイン・ジョンソン)やショウ(ジェイソン・ステイサム)ら新家族は完全スルーなのが気になった。ラストのGT-Rは泣くでしょ。

11作目で完結が予定されている今シリーズ。
なんとなく10・11作の前後編になるんじゃないかと予想。サイファーとの最終決着になるのか、はたまたより凶悪な敵が表れてサイファーと共闘関係に……(ドラゴンボールみたいだ)
ゆくゆくはジゼルも復帰したりして。そもそも物語からの消え方も雑だったし、いつでも戻ってくる気配ビンビン。いっそハンとの間に子がいて、クリスマスにワンダーウーマン風のコスで戯れるシーンがあったり。家庭人になったジゼルをドム一家がミッションのために誘うが一度は断られる。が、クライマックスの大ピンチの時に颯爽と登場しドムの手助けをしてくれるとか。
……どんなバカバカしく都合良い展開も許されちゃうのもワイスピの懐の深さ。次はどんなことになるんだろ?って妄想もまた楽しい。


余談)
最近新型が発表された日産フェアレディZ。ニューヨークでの公式発表会に新型に乗って表れたのはポール・ウォーカー…の弟で俳優のコディ・ウォーカー。兄弟揃って車好きなのもあるけど、明らかにワイスピを意識した粋なキャスティングで、ファンならずともビックリ&ドッキリ。
ドムの弟が出てきたんだから、次作はブライアンの弟が!?

52本目
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