観ていてなんだか懐かしい気持ちになる作品だった。
椎名桔平が失踪した友人を北京で探すというストーリーがありつつも、出会う現地の人々は本人役なので半分ドキュメンタリーという不思議なつくり。
本人たちが喋っている言葉は台本通りなのかもしれないけれど、半分本心でもあるんじゃないかと思った。天安門事件のことを聞かれて「死ぬまで話さないと決めている」と答える人もいたし…
特に中国人で初めて性転換をしたダンサーの金星（ジン・シン）の独白はじっと聞き入ってしまった。

椎名桔平は自分は日本語、相手は中国語（などその人の言語）でお互いに伝わらない会話をするのが好きっていう変わった役で、はたから見ている分には面白いけれど、身近にいたら面倒臭そうな人だなと思った。
言葉が通じていても話が通じているとは限らないっていうのは確かにそうだけど。

旅人椎名桔平が夏の北京で人探し。蒸発した友人を探すために人に出会い、その人たち（実在する現地のアーティストら）が語るという半ドキュメンタリー。
これがなかなか…独特の味わいでね…
序盤椎名桔平が自転車漕いだりご飯食べたり。ひたすら何か食っている姿を延々と眺めてるときは、このトーンで最後までいくのか…？と不安で仕方なかったが、いつのまにか引き込まれてしまって結局二回観てしまった。それでも話の内容は全然入ってこないんだけども。
不思議な映画だった。

「音だけの言語で通じ合わない会話をする
それが趣味なんだ」

ふんわりとした
旅をする映画、

この頃の椎名桔平さん、
すてきです◎