いのりchan

ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男のいのりchanのレビュー・感想・評価

4.4
「人間」の、「人間」であるという闘いを、おそるおそる覗くつもりが肉薄した緊張感にそれどころではなかった。性急に見えてじわじわとたった1ヶ月の期間を旅する2時間。ゲイリー・オールドマン演じるチャーチルの荒い呼吸音、瞳の動き、口角、すべてに、「人間」を感じた。予想以上に全てのシーンがダークトーンではなくビビッドに描かれていて、それもこの映画が「過去」ではない、というメッセージだと受け取った。わたしたちは、「人間」として今、この世界に生きているし、今という「歴史」を歩んでいるのだ。「勝利」の実感も認識も定義もわたしにはいまだあやふやである。まずイギリス人じゃないからね。そこじゃないんだけど言いたいことは。わたしが日本人として「勝利」を感じること、記録の中の戦争、でも「過去」ではない戦争、まだまだ、考えていこう。
客席からも、チャーチルが何か言うたび笑いが起こっていてタハハ〜と言う感じだった(年齢層高めのこの映画館に、思ったよりも若い層がいたのも驚き、そう、わたしのジェネレーション、目をそらしちゃ、だめだよ)